第五十八回柳家小三治独演会
柳家 ろべえ 「元犬」
柳家 喜多八 「おすわどん」
柳家 小三治 「小言幸兵衛」
お仲入り
柳亭 燕路 「だくだく」
柳家 小三治 「お茶汲み」
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仕事による遅刻の為、ろべえさんは聞き逃す(涙)
「おすわどん」
いつものけだるい(物憂い?)スタイルで登場。二号さんをめぐるあれこれをマクラに本題へ。限られた時間のなかできっちり。やや急ぎすぎた感あり?。上手だなぁと思う。ただ、濃い目のルックスと(以前間近で拝見したときの)手の甲の毛深さが・・・・生理的に私を遠ざけるの。彼のけだるい雰囲気が「たまらない」(いつものマクラ)ご婦人の皆様、申し訳ない。
「小言幸兵衛」
これだけで既に2席分ぐらいでしょうか。マクラはハワイへの旅で時差ボケとその解消法として飲んだ薬の顛末。歌「青葉の笛」(ここで敦盛の名前を聞くなんて・・・・)。そして発売予定のDVD等々。で、気が付くと本題へ。幸兵衛の小言、そして家を借りに来た人とのやりとりが、派手でない、オーバーアクションでないのに、面白い。間、表情、動きが絶妙にあいまっているからかも。
―― お仲入り ――
「だくだく」
「ここまでで2時間10分です。新幹線で東京を出たら名古屋過ぎです」と爆笑を誘い、本題へ。多分、かなり時間が限られていたと思うのに、コンパクトにまとめてきっちりと。
「お茶汲み」
廓噺は実体験がないから苦手だったので、弟弟子の小里ん、小袁治両氏と連れ立って、吉原に繰り出したときのエピソードを中心に。個人的に吉原神社に何度か行った事がるので、師匠の言っている雰囲気がなんとなくわかる。多分夜になってからだとすごいんでしょう。こちらのマクラは短めに本題へ。こういった廓話だとどうしても、悲しいものか、騙し騙されで悪女の後味が抜けないのに、でてくる小紫はそんな雰囲気がなく、さりとて騙されたほう、そして話をきいて繰り出した友達も、実にさばさばというか、的確な表現ではないけどゲームのようなやり取りを楽しんでいるといった印象。なので誰も悪(わる)という印象はない。小紫の話を聞かせる場面では、こちらも友人の一人になったようで、「それで」「で、どこが楽しいの?」という相槌を思わず心の中でうつ。とっても楽しい気分で聴く。
印象的だったのはDVDの一件。映像元は「落語研究会」国立小劇場で、自分が若かった頃は文楽等々のキラ星のような名人が出ていて、それを見ながらこれに出られたら死んでも良いと思ったこと。そして自分が見た名人達の舞台の呪縛あるいは先輩達への畏怖ともいえるプレッシャーが、今自分がその舞台でトリを取るようになっても圧し掛かり、思ったような高座ができないという話(うろおぼえ御免)。多分、先達へのある種の畏怖、または自分がやっていることへ「いいのだろうか」という疑問、そういった感情を含めた懊悩のようなものを持ち続けてこそ、芸事において進歩・上達はあるのかもしれない。

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